Oukirのブログ

病院での1日をだらだらと書いていきます。
病院名や人物名は変えています。

盤尺さんのオムツ交換

盤尺(ばんしゃく)さんは三階の一番奥にいる、少し癖のあるお爺ちゃん。

人を呼びたい時はナースコールを使わず、手を叩いて知らせてくる。かと思えばいきなりナースコールを使って遊びだす。やたらとokayや、alrightなどの英語をつかう。そんなお爺ちゃんだ。

盤尺さんのもっとも厄介なところは、オムツ交換になると暴れて暴力を振るって来るところ。

引っ掻いたり殴ったり、とにかく気がすむまでやりたい放題。

そんな盤尺さんのオムツ交換もだんだんコツが分かってきた。


オムツ交換の時間。。。

部屋の扉を開けると、盤尺さんがギョロっとした目でこちらをにらめつけてくる。

僕「はーい、盤尺さん。オムツ交換のお時間です」

盤尺さん「ありがとう。ありがとう。もういいから、ドアは閉めて行って。」

よかないよ。

僕「はい、じゃあオムツみるよー。」

べしっ

手を打たれた。

盤尺さん「なにするんだこの野郎❗あっちいけもう❗」

僕「ごめんね。いっつもいっつも。これ、すっごく嫌だよね。俺も、嫌がってる患者のオムツ交換するのは嫌なんだよね。。。」

盤尺さん「嫌だよそりゃあ。本当にやめてほしいよもう。」

僕「でもね。僕達ヘルパーも、やらなきゃ行けない義務があるんだよね。盤尺さんの嫌な気持ちはよくわかるんだけど。ちょっとだけ協力してくれないかな。ちょっとだけでいいから。」

盤尺さん「。。。okay」

Thanks, bro.

このあと、盤尺さんは人が変わったように大人しくしていてくれた。

激務な1日

今日の勤務はかなり激務だった。

ここでは、患者が45人いるのに対して、3人のヘルパーがオムツ交換やら入浴介助やらをすべて任されている。

ただでさえ少ないと感じているのだが、今日のヘルパーはたった二人。

決められた時間の中で、いかに素早く行動し、一つ一つの作業時間を短縮できるかが問われるのだ。

もちろん、焦って患者に対する対応を荒くするなんて絶対に許されない。

ある程度スピードアップしても、患者に直接影響を与えない作業を、目まぐるしい速度で行っていく。

しかも、ヘルパーが二人の場合、入浴介助を担当するのはたった一人。

さらにさらに、今日はミーティングで休み時間が実質ゼロ。

Oh my god...

他の病院ではどうしているのか全く知らないが、大町病院は時折、とんでもない事をヘルパーに押し付けている気がする。。。

あー、疲れた。

親友との出会い

この病院では、マヨネーズをご飯にかけて食べる、は邪道扱いされる。

昼食の時間、馴れた手つきでマヨネーズをご飯の上にかけると、周りの職員があたかも怪物を目撃したかのような、恐怖の目でこちらをみてくる。

気にせずにガツガツとそのマヨ丼を頬張るのが日課となっていたが、とうとうマヨネーズ禁止令が出てしまい、自分でmyマヨネーズを買うはめになった(食堂には現在、職員専用マヨネーズと、嫌味ったらしいレベルででかでかと僕の名前が書かれた専用マヨネーズがある)。

理解者を一人も得られないまま、孤独を引きずって働いてきたのだが、昨日とうとう、このマヨ丼を愛してくれる親友が現れた。

持春さんだ。


オムツ交換中。。。

持春さん「マヨネーズをご飯にかけるとおいしいわよ。」

ここまでの話の下りは覚えていないが、なぜかマヨネーズの話になった。

僕「おぅ!?!?!?」

驚きのあまり声が漏れる。

僕「分かるの!?マヨネーズご飯の美味しさが!」

持春さん「分かるわよぅ。マヨネーズをね。ご飯の上にかけるの。醤油を加えても美味しいわよ。」

僕「なかなか分かってるじゃん!ソースをかけてもうまいよね!」

持春さん「そうよ。ソースでも美味しいの。」

驚きと感動のあまり、かなり感情はたかぶっており。。。

僕「いや~。感動だわ!こんなところに理解者がいたなんて❗ありがとう!持春さん!」

持春さん「うるさいわねえ。黙ってオムツ交換してよぉ。」

はい。